サイズ規格は日本と海外で違う
- M子
- じゃあ、歯間ブラシの細かい説明からお願いします。あたし、歯間ブラシって全部一緒だと思ってたのよ。
- 眞田先生
- はい、じゃあ、今日は歯間ブラシですね。
- M子
- そもそも歯間ブラシってサイズあるのよね?
- 眞田先生
- そうですね、歯間ブラシは規格があって、日本の規格と海外の規格と、あります。
- M子
- あら、そこも歯ブラシと同じように違うわけ?世界は広いわね。
- 眞田先生
- 違います。サイズの規格っていうんですかね。
- M子
- はい。
- 眞田先生
- 大体、日本って、6段階って言われています。今、だいぶ細い、4S(SSSS)っていうのからLLまであって、幅広くはなってきたんですけど、6パターンって言われてるのが基本です。
- M子
- え?4S?もうその時点でモデル体型の話みたいなんだけど。
- 眞田先生
- 海外もISO規格で、8パターン以上、みたいな形になってるので、もっと細かかったんですけど。そういう規格で、太さ、サイズの違いから、柄の形。これはL字型って呼ばれてるものなんですけど、ストレート型のまっすぐなやつもあります。
- M子
- へえ。形まで色々あるのね。
- 眞田先生
- だいたい、この2種類なんですけど、これもまた用途、長所短所がそれぞれあります。
L字型か、まっすぐか。それが問題だ
- 眞田先生
- まずこのL字型。これが、形としては私のイチオシしてるものです。前歯をやるにも、奥歯をやるにも、角度がついてるから、前歯だったら、近くを持って、このまま入れてもらえれば、できますし、奥歯だったら手を離しても、しっかりヒットするように角度がちゃんとついてるので、ヒットすることができるようになってます。
- M子
- 初心者にはもってこいね。
- 眞田先生
- まっすぐの棒のタイプのものは、前歯はそのまま前に入れてもらえればいいんですけど、奥歯やるときにこれをちょっと曲げるんです。真横に曲げて、ブラシをちょっと曲げて入れるので、すごい安いんですけど、結構そのブラシが取れちゃったりするので、長い目で見るとコスト的には結構かかっちゃうっていうところがあります。
- M子
- あら、それって使い捨てじゃないの?洗って使うタイプ?
- 眞田先生
- 使い捨てなんです。なんですけど、一応、洗って歯ブラシと一緒で水洗いして、立てかけといて、1ヶ月くらいで交換しましょう。でも1ヶ月経ったらだいぶこの毛がなくなったりとか、結構真ん中のワイヤーの部分がいろんな向きになっちゃったりするので、そうすると入りづらくなって、曲がってるとどうしても歯垢の除去効果も効率が下がるので、そうなってきたら変えましょう。だいたいもって1ヶ月くらいかな。
- M子
- なるほど。
- 眞田先生
- 真っ直ぐのタイプは曲げたり伸ばしたりするので、やっぱり2週間くらいで折れちゃったり、あと毛だけ挟まって本体取れちゃったりとか、結構ある。それは安いものなんですけど。
- M子
- あはははは。安物買いの銭失いってやつね。でも気持ちはわかるわよ、安いもの買っちゃうのよね。
超合金、歯間ブラシに現る
- 眞田先生
- 安い、高いが結構あります。ライオンのやつは高いんですけど、真ん中のワイヤーが超合金なんですよ。
- M子
- ちょっと待って。超合金ですって?あたし、超合金って言葉、何十年ぶりに聞いたわよ。マジンガーZ以来よ。ロボットにしか使わないものじゃないの、それ。
- 眞田先生
- だから1本単価高いんですよ。1本たぶん160円とかするんですね。高いですよね。歯間ブラシで。だけど、すごい持つんですよ。長持ちして、本当に年間で見ると絶対そっちの方が経済的なんですよ。
- M子
- へえ〜。160円ねえ。
- 眞田先生
- 長持ちしてるし、本当にびくともしない。やっぱり超合金はすごいですよ。
- M子
- 超合金、最高じゃない。あたし、ちょっと感動してるわよ。歯間ブラシに超合金使うって発想がもう素晴らしいわ。ライオンさん、やるわね。
- 眞田先生
- このワイヤーのこだわりはやっぱり各種メーカーあるし、ライオンはそこがすごいところです。
磨き方にも「流行」があった
- M子
- あのね、先生。あたし、昔、歯医者さんに行ったときに、歯を磨く方向を指導されたことあるのよ。
- 眞田先生
- はい。
- M子
- 横に磨いちゃだめだって、すっごい怒られたの。もう、めちゃくちゃ言われたわよ。
- 眞田先生
- はい。
- M子
- いわゆる、水平に磨いちゃだめって。でも、1980年代の話よ、これ。
- 眞田先生
- あっ、そうですよね。その頃は、あの、本当に、縦が流行ってたんですよ。これ、流行り。
- M子
- えっ、流行りなの?磨き方に流行りってあるわけ?
- 眞田先生
- 流行りなんです。もう、大先生方の。
- M子
- へえ〜。歯の繊維がどうのこうのって説明されたわよ、あの時。
- 眞田先生
- そうなんですよね。
- M子
- なんなのよ、それ。ファッションじゃないんだから。
- 眞田先生
- もう、本当にこう磨いたり、こう磨いたり、いろいろあるんですけど。これ、本当に昔の名残なんですけど、今は水平方向に小刻みになんですよ。
- M子
- でしょ?あたし、ずっと思ってたのよ。水平のほうが絶対落ちてるって。感覚的にわかるわよ、そんなの。あの時の歯医者さん、今どうしてるのかしら。
- 眞田先生
- そう。今は水平なんです。で、それは歯ブラシの「山切りカット」にもつながってきて。
- M子
- なるほど、なるほど。
- 眞田先生
- 「山切りカット」だったら、まあ、まあ、100歩譲って、そのままの形で降りてくるから、いいと思うんですけど、あれで横で磨いたらもう一発アウトなので。
- M子
- 一発アウトって。あははは。そうよね、山切りカットで横磨きは確かにダメそうね。
- 眞田先生
- そう、この2歯、2本分でこう磨くっていうのが主流ですね。
- M子
- なるほどね。
- 眞田先生
- 除去効率が一番高い方法です。
歯間ブラシの入れ方にもコツがある
- M子
- なるほどね。で、そういう細かいテクニックが歯間ブラシにもあるわけでしょ?
- 眞田先生
- あ、あります。操作方法。あの、歯と歯の間の入れ方っていうのもあるんですけど、この歯と歯の間に先端だけ入れて、そのままグーって入れると、初めて使う人はなかなか入らない。
- M子
- そうなのよ!あたしもそれで挫折したことあるわ。
- 眞田先生
- で、そのまま入れると歯と歯の間の歯茎、ずっとここに汚れが残ったままなので、ここが少し炎症をずっと起こしてて、ちょっと隙間を埋めてるんですよね。
- M子
- あ〜、腫れてるのね。汚れで。やだやだ。
- 眞田先生
- うん、腫れて、隙間を埋めてる状態なので、やっぱりそこにいきなり歯間ブラシを入れようとすると、入らなかったりするので、一回置いて、ちょっと歯茎の方にこのワイヤーを押し当てる。
- M子
- へえ。
- 眞田先生
- 押し当てて、こうやって探るんですよ。
- M子
- おお〜。探すのね。宝探しみたいね。
- 眞田先生
- 探ると、どっかスッて入る点が見つかるので、そしたら、ゆっくりゆっくり前に進んでいくっていう方法があるんですけど、最初からこうグッて入れようとすると、痛くて、出血だらだらで、もう嫌だ、嫌だ、痛いってなっちゃいますよね。でも、それは誤った方法なので、こうやって正しい方法をやるっていうのがすごく重要です。
- M子
- なるほどね。それってもう、“歯のスキマは恋愛”みたいなもんじゃない!無理に押すと壊れる、そっと当てれば入る。歯の形の特性上、必ず隙間はあるってことね。
- 眞田先生
- そう!(笑) 前歯に関しては、歯がどうしても平べったい歯になるので、そうすると重なったときに隙間ができない。
- M子
- はい。
- 眞田先生
- 奥歯だったらいくら重なっても丸なので隙間が空くんですけど、平べったい歯の重なりはどうしても隙間が取れないので、そういった場合はフロスにお任せしていいと思う。
- M子
- なるほどね。前歯は許してあげるってことね。よくわかったわ。ありがとう、先生。