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フロス384本の衝撃。指が紫になる前に知りたかった ― 眞田先生とめぐる「デンタルフロスの世界」〜あなたを絡める384本の糸〜

歯間ブラシとフロス、どっちの歴史が古い?

M子
そもそも歯間ブラシはずいぶん2、30年前からあったって言ってたじゃない。
眞田先生
はい。
M子
フロスと歯間ブラシってどっちが古いわけ?
眞田先生
古さですか。私が知ってるのだと糸ですね。フロスの方が先です。
M子
やっぱりね。フロスは原始的だものね、こっちの方が。
眞田先生
はい。でも発祥は楊枝、爪楊枝なんです。
M子
えっ、爪楊枝?
眞田先生
爪楊枝がピックっていう形になって、トゥースピックっていう楊枝なんですけど、それからちょっと名前がいろいろ変わっていって、スティムデントっていうものになり…そうはいっても形は爪楊枝なんですけど。で、汚れを取るっていうのがあったので、それから考えると、歯と歯の間に詰まったものを取るのは発祥が楊枝なんです。そこからでもどうしても挟まって取れないっていうところを、やっぱり原始的に考えて、糸で通して取るっていう形になっていったんですね。
M子
へえ〜。楊枝の方が先なのね。
眞田先生
楊枝が一番最初になります。やっぱり木でできてるものだから。
M子
なるほどね。
眞田先生
はい。詰まってるところを取るっていう形になってきてます。

ワックス付きと無し、どっちがいいの?

M子
フロスって、何種類かあるのよね?
眞田先生
はい、あります。
M子
なんか、ワックスがついてるやつがあるんでしょ?知りたかったのよ、それ。
眞田先生
あ、そうです。これワックスついてるんですよ。私たちが今使ってるやつ、ワックスついてるやつなんですよ。
M子
あ、こういうやつ。ペタペタするやつね。
眞田先生
はい。ちょっとペタペタですが、これはあんまついてない。洋裁のときに使う糸みたいな、絹糸みたいな感じのやつがワックスついてない感じだとしたら、ワックスついてるのはこうやってペタペタするものです。
M子
なるほどね。

384本の衝撃

眞田先生
あと、これが、384本撚ってるんです。
M子
はい?
眞田先生
糸をね。
M子
384本?ちょっと待って、また数えたわけ(笑)?
眞田先生
これは数えてないです(笑)。これは、ご親切にメーカーの方が教えてくださいました。これは、水分含むと膨らむタイプのもので、細かい硬い繊維が384本撚ってあるんです。
M子
本当だ、本当だ。ほぐすと細い繊維が、よくわかるわ。
眞田先生
あともう一個スポンジの状態のものもあって、っていう風に種類が分かれるんです。
M子
スポンジ?糸状のスポンジってこと?
眞田先生
はい。もう細いスポンジです。
M子
へえ〜。
眞田先生
これの用途はいろいろあって、ここはワックスが付いてるフロス、こっちは付いていないふわふわなものっていう風に使っていくんですけど。
M子
1本の中にふわふわと硬いところが交互にあるのね。
眞田先生
例えば、歯と歯の間に入れる時には硬い方で。歯と歯の間に入れて、通して、通して……
M子
あーーー。
眞田先生
このスポンジのところを当てて、使っていくんですけど。
M子
おおー。

ブリッジに最強の便利グッズがあった

眞田先生
要はこれ、どこに使うかっていうと、ブリッジっていって連結の作り物の歯で、金属で繋がっていて上から通せない時に使うんです。
M子
うん。
眞田先生
で、その人工の歯の下の面って空間が空いてるんですけど、そこにいっぱい汚れがたまるので、それを掃除するのが、大変なんですよ。
M子
あのね、それ買うわ。アタシ、この前歯、チャリンコで転んで無くなって、両脇の歯に止まってるのよ。で、そこをいつも歯間ブラシで、ちょんちょんやってたんだけど、それは便利そうね。
眞田先生
そうなんですね。
M子
今日買おう(笑)。一般人が買えるものなの?
眞田先生
えっと、ある……薬局、ドラッグストアによって…ロフトとかハンズとかはあります。
M子
行こう!
眞田先生
これは本当そういうのに便利なものですね。一応、2種類。ワックスのと、スポンジがプラスになっている、スーパーフロスという名前がついているものになります。
M子
うちの歯医者さんも、そんな便利グッズ紹介して欲しいわよねー。

ワックスの落とし穴

眞田先生
ワックスタイプは、ちょっとベタベタしているのもそうなんですけど、やっぱりちょっと硬いものになるので歯と歯の間入れやすいんですね。入れやすいので、これは初心者の方には使いやすい。
M子
入れやすいためにワックスがついてるわけね?
眞田先生
そうですね。ワックスついているもののメリットは入れやすい。だけどもデメリットはワックスの成分が、例えばかぶせ物をしているところの歯をフロスで掃除したときに、ワックスがその角に引っかかって、ワックスを残していっちゃうんですよ。
M子
はい。
眞田先生
そうするとそこから炎症が、歯茎とか歯と歯の間のちょっと見えない歯茎、そこの境目のところにワックスがずっと残って蓄積されちゃうと、どうしてもそこから炎症がスタートしちゃうんです。
M子
なるほどね。怖いわね。
眞田先生
ワックスタイプは、こういうフロスを最初に使う人用、使い方慣れてきたらワックスついてないアンワックスのものを使って欲しいですね。もしくは、私の本当に一押しの384本のフロアフロス。
M子
じゃあ卒業しよう、もう。アタシも。
眞田先生一押しのフロアフロス

糸楊枝はダメージが強い?

眞田先生
フロスは、巻タイプ使ってますか?
M子
巻いてるやつ使ってるわよ。
眞田先生
素晴らしいです!ホルダータイプっていうのもあるんですよ。糸楊枝って呼ばれてるもの。
M子
ああ、こういうやつね。
眞田先生
横のタイプだったり、Yの字になってるのだったり、いろいろあるんですけど。
M子
あれダメージが強そうで……
眞田先生
その通りです!あれも初めての人とかは、ホルダータイプでやればいいんです。指に巻いて使うのがちょっと難しい、使い方が難しいので、最初はホルダータイプを使うといいです。
M子
なるほどね。
眞田先生
なので慣れてきたら、アンワックスのフロスか、このフロアフロスとかに変えていってほしい。

指が紫になる前に知りたかった正しい巻き方

M子
あのね、使っていると、いつも人差し指の血が止まって、紫色になってるのよ……
眞田先生
あ、ほんとですか?人差し指に巻かれてますか?
M子
人差し指に巻いて、ちょっと左手にも巻いて……
眞田先生
ちなみにフロスは、手でつまんで肘までの長さが上の歯の全部をお掃除できる長さなんですね。
M子
へー。30cm弱あるわね。
眞田先生
上の歯全部なので、1回でこれを2本、上と下で2本使うんですけど、基本は親指と中指なんです。
M子
中指?
眞田先生
両方で持って、中指に両方巻いていくんですよ。巻いていって、利き手の方は短くして、反対の手のところに全部残りを巻いていく。
M子
はい。
眞田先生
で、5センチくらいになったら親指と人差し指で挟む。ここの挟んだ1センチくらいが「作業幅」。ここで作業していく。
M子
それ、口に入るの?
眞田先生
奥歯は、人差し指でやるので、これで奥歯に入れます。
M子
そうなの。いつも物理的に無理でしょって思うのよ。口こっちしか開いてないのに、横向きにゴシゴシやるじゃない。顎外れそうになるわよね。
眞田先生
そういう場合はやはり、糸をつけるホルダー。ホルダーだけでも売ってるので、そういったホルダーに掛けて入れる。というのもあるので。
M子
へえ〜。
眞田先生
中指はふわっと巻く感じにしておくくらいですね。
M子
そうよね。
眞田先生
「作業幅は1センチで」っていう風には、学生には言っているので。「上の歯やる時には人差し指の腹同士でやるよ」「下だったら…」っていう形で。前歯は親指使って……
M子
親指でやるわ、やるわ。巻き方が誤ってたわ、アタシ。
眞田先生
親指だと人差し指が自由になるので。
M子
なるほどね。それ見てるとできそうだけど……
眞田先生
あとはもう自己研鑽で。
M子
訓練ってことね。
眞田先生
でも本当は歯科医院で、巻き方や使い方っていうのは、しっかりと伝えていかなきゃいけないんです。
M子
指導していただけるとありがたいわよね。
眞田先生
しなきゃいけないところなんですけど。先にホルダー付きを先に伝えて、あとは個人的に…なのでしょうね。
M子
やってないわよね、大体。ありがとう、先生。これで指が紫にならずに済むわ。